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まだストーリー漫画メインだった学生の頃、それでも折々読んでいたのは「まんがくらぶ」誌(竹書房)であった。巻頭が森下裕美「ここだけの二人!」(竹書房刊)で「荒野のペンギン」(集英社刊)以来の読者であったから4コマ作品と関係なく。そうして必ず、買って読むのは帰省の新幹線と決まっていた。どこから読んでも良く、どこで止めても問題ないというかつての4コマ作品が、結果長年の供となっていったのは、これは過去の話を読んでもらうとして。
何故急に昔話を始めたかというと、この古巣の「まんがくらぶ」誌のラインナップが変わってきていて、気が付けば後ろの方がほぼ「ショート作品」という状況になっている事に気付いたからである。といって4コマ誌とショート作品は昨日今日の仲ではなく、少なからず読んでいる作品もあるから変化に気付くのが遅くなった。ようやく気付けたのは内容が微エロの作品が増えていて、前半(4コマ作品)とのギャップが激しかったから。でなければ立ち読みのパラパラ読みで単にスルーの作品が多くなったなくらいで済んでいた。
現状本誌では4コマ作品には長期連載の実力作がズラリと並び..後半は若手の中高生向きのようなショート作品が増えている。誌面のリフレッシュを狙っている?しかしショート作オンリーの「STORIA」誌での成功体験を活かすというにはあまりに性急な運びである。若手の4コマ漫画家が育っていない?これは大いにあり得る話で、新人賞の話題は今年は触れず仕舞いであった。とは言え迂闊『のみじょし』(くらぶ、ライオリ)の発掘はまさに本誌の功績である。その余勢を駆って総合誌展開を目論んでいる??
以前述べたように「まんがくらぶオリジナル」誌の休刊以降、4コマ作品に限らない展開を「ライフ」系列にまとめ、「くらぶ」は単独で4コマにこだわっていく。このスタイルが最適の流れでは無いのかと思うのだが。かじ取りは難しいもので今「ライオリ」誌が一番4コマ誌然としていて、「MOMO」誌は看板作品の相次ぐ終了..狙い通りにいっていないような印象がある中での「くらぶ」誌の変容が迷走気味に映るのは杞憂であろうか。
-PICK
UP-
あっという間にまた収まり切れなくなっている本棚を眺めてみると、1巻目のみがある作品が多いことに気付く。試し読みをするからなのだが、意外とあるのが途中で読み始めた作品の、出だしが読みたくて1巻のみ購入。以降は掲載誌で読んでいるのでまあ、気が向いたら買う(揃える)かも、という流れ。年に数作程度の話のはずが、このところ一気に増えたのは「主任がゆく!」誌(ぶんか社)の作品のほとんどがこの中途採用組だったから。たかの宗美特集号の作りから本格的4コマ誌に切り替わったタイミングを見逃してしまっていた関係で、読み出したのがどうやら3〜4話経過後だった為、時を経て単行本刊行、が古本屋に流れてきてようやく今続々と読み「始め」直している。
永井道紀「さんきゃくイーゼル」(完結分未刊行..)、テンヤ『黒森さんの好きなこと』(主任)、長田佳奈「2KZ」(全1巻)、桜沢鈴「プライスレス家族」(全1巻)、おりはらさちこ『愛しの桜さん』(主任)は最近2巻目が出た、安西理晃『花色プロセス』(主任)、そめい吉野『農学女子』(主任)は単行本1巻が出たのがだいぶ前で、これは試し読みの方で読んでいたのがついに続刊登場(追試とナンバリングされているからおそらく選集か..)。
他にも出会い待ちの作品はまだまだありex.あずま笙子「吸血鬼にっき」(全2巻)、ぶんか社の非エロ4コマ誌、期待通りに育ってきました。代名詞の「みこすり半劇場」誌は25周年だそうで、しかしいずれ「主任がゆく!」誌がタイトルを4コマ誌らしい作りに変えて看板を背負って立つようになるハズと蛇足。