リスナーはじめ、誰にとっても非常にツライ3週間だったと思う。そしてその異常事態は今も続いている。
某日、携帯のニュースバーに「ナイナイ岡村、体調不良で舞台取りやめ」と出て、その晩がオールナイト。ここまではちょっと下世話な話「どんな言い訳するんだろか」くらいの、むしろ楽しみな感じでいた。近くで演るわけじゃないから全く影響の無い話だから..想像が膨らまなかったのだ。
冒頭から神妙な陳謝で始まり、完全なるローテンションの中、いつものフリートークも無く、ひたすらコーナー→音楽→CMでタイムテーブルをこなすだけの放送となる。飛び飛びながら10年愛聴者の身からして、深夜に噴き出すはずの内容が、ここまで無味乾燥なものとなってしまうことにただただ、驚く。いや、相方はまだ普通だったのだ。慎むべきを前に抑えながらも懸命な合いの手が入っていたのだが、やっぱり一方が応えなければ弾むわけはなく。いや、コーナーへの投稿ハガキは普通だったのだ。いつものようにハガキ職人たちの粋を凝らしたネタが..読み手次第でこうも変るものか。初めて、つまらないを通り越して異様な雰囲気のオールナイトを聴いた。
次の週は相方が南アフリカに飛び、独りでの放送。素人のスピーチで良く見られる(と言われている)「あー」、「えー」の連発で始まり、助っ人華・大とも今イチ、かみ合わず。進行役として相方の存在がとても大きく感じる。10数年ほとんど毎週リアルタイムで放送してきたにも関わらず、提供読みすら満足にこなせない。最大級の愛着を公言しながら、番組を作ってきたのではない、おしゃべり場だったのか単に..と少々失望すら覚える。振り返ればすでにギリギリ「アウト」の状態だったのだろう。
翌週ついに欠席、聴衆率調査のスペシャルウィークだったにも関わらずの欠席。そして急遽の矢部スペシャルは..やっぱり失礼ながらあんまり面白くは無い。
この3週で一体どのような心境の変化があったというのか。一旦復帰したものの程なく正式に休業となって相方独りのオールナイトがすでに3ヶ月続いている現在でも、全く伝えられない。
各メディアから断片的に入る情報を見る限りでは復帰シナリオがすでに進行しているのではないか、と思える節もあり、ドキュメントバラエティとして空白期間の等倍返しが期待出来そうなのだが。いずれにせよ体力的な問題ではもはや無く、戻ってくるのをひたすら願うしかない。
個人的には矢部氏単独のオールナイトはあまりに物足りなく。月曜トータルテンボス(地方番組)や土曜オードリーまで聞き出しているものの、需給バランスが取れずにいる。考えてみれば近年の全盛期はオールナイト2本とジャンク(2)2本を毎週聞いていたので、どんどん削られて虎の子のナイナイまで..の状態では欲求不満もいいところである。
欲すれば何とやら、実はとんでもないお宝を発見してしまった。といっても極めて個人的な、単なるモノグサが産んだ誤解が解消されただけの話。
深夜3時台のジャンク2が聞けなくなったのは、番組改編時の今年4月から。ケンコバとエレ片を聞いていたので残ったのはナイナイだけ、とこの時なってしまった。ところで以前から、エレ片では「ポッドキャスト」でも放送しているという告知を常にしていた。曰く、「アイポッドで聞けます。アイチューンのポッドキャストからダウンロードしてください。そちらもよろしく。」と、個人的にはそう解釈していたのだ。つまり、アイポッド持ってなければ聞けないんだな、と。
そう思い込んでいたからこの半年エレ片は完全にご無沙汰だった。それが先日、キングオブコント決勝にエレキコミックが勝ち上がったと。しかもぶっちぎりの最下位に。これはさぞかしラジオでは盛り上がっているんだろうな..と、たまらずに何とか聞けないかとネットを駆け回っていたところ。アイチューンのサイトにたどり着く。よくよく見れば、パソコンで聞けると。ダウンロードすればアイポッドなどで「持ち歩いて聞けます」ということだったことにようやく気付く。
早速開いてみれば、放送開始当初から現在までの「ポッドキャスト」が200回(話)超!1回30分平均として、100時間分の個人的には初見の番組が目の前に提供されたのである。本放送を聞いていた時には「ポッドキャストで喋っているのでそちらを〜」と言われて聞けていなかった「世界のエロ事情」など独自のコーナーも聞ける。何より、聞きたいのに聞けなくなってしまったこの3人のクロストークが再び聞ける。
完全に時間軸をふっ飛ばし、現在ほぼ日で就寝時にはiTunesで「エレ片」です。
ちょっと気になる地デジの話。我が家では自室のみが相変わらずアナログなのだが、某日、居間の地デジと同じ番組を見ていたらしく、トイレにと部屋を出ると先程聞いたばかりのフレーズが居間から聞こえてきた。ん?今の台詞はついさっき聞いたけど?
その後改めて歌番組など、分かりやすいところで比較してみたところ、確かに地デジの方が2秒弱遅い。しかもというか当たり前だが民放も、NHKも。そして、自室には電波時計があるのだが、定時のニュースはこの時計通りに始まる。つまり地デジは正式タイムより2秒弱、遅れていることになる。
ワンセグやニコ動(楽天実況)などはもっと遅い。これらは例えば現地映像(ライブ)が衛星(宇宙)などを経由しているからタイムラグが生じているという理屈は、生半可な知識ながら分かっている。
しかしテレビは今後地デジしか見られなくなるわけで、この時差はどうするのだろうか?アナログの方が正確という意外な優劣が見えて、ちょっと気になっている。完全移行時に修正されるのかしら?
ニコ動で「懐かCM」をボーっと見る、というのが今夏夜のスタイルだった。意識が落ちてようやく泥のような眠りにつくと。暑かった話はさておき。色々回っていると、「怖いCM」という括りがある。そのほとんどがACのもの。色々な社会問題に警鐘を鳴らしているのは今もそうだけど、演出というか切り口が昔はエゲツなかったようで、そう言えば最近のはマイルドになっているようだ。例えば地球温暖化を、かつては迫り来る波(海面上昇)に崩れ落ちる人影(実は砂で作った人形)や、カサカサに朽ちていく葉っぱで象った人形で不気味に警告していた。現在は、といえば「〜ぱなしはナシって話です♪」と軽いメロディに乗せてやんわりストップ温暖化(これは省エネの話か?)と言っている。
ただ思うに、この流れは自主規制の行き過ぎで角がすっかり取れてしまった、というのではなく、情報化がもたらしたステップアップなのではないかと。つまりかつては、地球温暖化という現象そのものが今一つピンときていなかった。「そんなまさか」という認識が大半だったので、「現実なんですよ」と強く訴えたかったと。そして今やあらゆる場面でそれが事実であることが理解されているから、それを防ぐためにはどうすれば良いか、真剣に探り始めた人々に向けてアドバイスをするだけでよくなっている。脅かさなくても効果がある。
そんな中、動脈硬化の危険を訴える製薬会社のCMが珍しくBGM込みで怖い作り。これは「コレステロール値の高い人のほうが長生きする」と最近出された学説に対して過敏に反応=反論しているような気がする。その意図でインパクトを重視し、「前時代的な」怖いCMになったのではないだろうか。先の理屈で言えばメタボ云々はまだ、我々にとって深刻に捉えられる問題となっていないことになる。うん、(腹回りを眺めつつ)確かに。
しかし怖いというか、世相を反映しているなあと思えるのは単体CMではなくCMの意図されていないつながりにあった。滅多にお目にかかれるものではないだろうが、先日「あっ!」となったのはパチンコの新台CMで最後に「い〜っぱい楽しんでね♪」とのナレーションで終わり、次のCMが..消費者金融。しかも「あなたのことを考えます」とか言う内容。思わず吹き出してしまったのは悪い冗談に聞こえて仕方なかったから。これで次が法律事務所のCMだったら喝采ものだったが残念ながら。サラ金⇔弁護士のCMはさすがに連続して流さないような配慮がされているんだろうねえ。
地方だとメーカーに加えてパチ屋のCMもほんとに多いから、ギャンブル→借金→返せ!のヘビーローテ。番組中にCMが入れば即ザッピングスタートになってしまう。80年代の録画ビデオの「CM部分だけ」を集めただけの動画は「お気に入り」に登録するほど、なんだけど..。
最後は最近の話。松本人志のNHK2夜連続を観る。久しぶりのコントは実に..良かった。特に冒頭の「デラックスアドベンチャーぽーたぶる」は笑いっぱなし。翌日はその製作過程も見れたので大満足。オチを、結局は思いつきで出したようだがよくぞと感じ入った。今さら返品も効かないし、せめて一言、一矢報いたい。そんな悲壮な思いがすごくよく伝わる、だからこそ笑えるオチ。なるほど笑える話というのはどこか悲しい。そういえば「すべらない話」での松本の話しも一貫してそのスタイル。松本は常に「笑いを作っている」んだなあと大昔のオリジナルビデオの一節を思い出した。